クレヨンしんちゃん モーレツオトナ帝国の逆襲を観て思ったこと 歳をとらないしんのすけと大人になれない僕

どうも。キむryoです。先日クレヨンしんちゃんの映画、嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲を観ました。とても面白かったです。この作品の好きなところは、昭和の懐かしさを匂いと表現しているところです。懐かしい匂いのある風景が頭の中に回想として浮かぶことがあります。懐かしさを感じさせるのは匂いだと思うんですよ。

さてさて、この映画は2001年に公開されました。しんのすけは矢島晶子さん、そしてひろしは藤原啓治さんです。まだ声優が交代する前の作品です。一度観たことはあったのですけど、改めて観て思ったのが、「オトナ帝国が実際にあったら、俺は帰ってこないな。」ということです。筆者の場合、育ちは平成ですが、生まれは昭和です。そのせいかウルトラマンも仮面ライダーも昭和の方が詳しいですし白黒の鉄腕アトムを観てたりとたまに年齢詐称を疑われますw ウルトラマン、怪獣、古き良き日本の姿には惹かれるものがありますねえ。夕焼けの街並み、晩御飯の美味しそうな匂い。未来に希望をいだいていた昭和の時代、そうした過去の情景が質量を持ち、匂いを放っているのです。

ところでしんのすけは永遠の5歳児で、ずっと歳をとりません。日本のアニメのキャラクターって歳をとらない場合があるんですよね。サザエさんとか、ドラえもんとかね。クレヨンしんちゃんなんて30年くらい嵐を呼ぶ5歳児やってるわけです。作品の中で時系列があってときが進んでいく作品じゃなく、日常を描いている作品ていうのは、割と年齢が最初のままで変わらないなんてこともあります。

年齢が変わらないキャラクターっていうのを観てて考えたのは、「僕たち日本人て大人になりたくないのかな?」ということです。オトナ帝国でひろしやみさえが子供に戻っていましたが、我々視聴者ももしかしたら子供に戻りたいとか、あるいは子供のままでいたいのかな、と思いました。筆者の年齢は30前半です。もういい歳した大人です。でもまだまだ未成熟な人間です。大人になりきれていないというのが、現実です。今の時代、30歳くらいでやっと大人になるのかなというのが筆者の考えです。大学生の二十歳や20半ばはまだ大人ではなく、社会に出て揉まれて現実に生活を送るということを実感を持って知った時点でやっと一人の大人になるのではないでしょうか。

武士の時代は15歳で、もう少し最近~現代だと18~20歳で成人でしたね。武士だと10代で子供が居ることもあったようです。幕末辺りだと20代の若者が歴史を動かしていましたしまた、大日本帝国の軍人はまだ青年なのに一人の大人として分別があったと思います。遺書を書いたりね。日本人の成熟が遅くなったのかなあというのが、筆者の感覚です。

さて、クレヨンしんちゃんに戻りますと、野原ひろしは35歳の会社員です。5歳の息子のしんのすけ、29歳の妻のみさえが居るわけですね。さらに持ち家で、車ももっています。90年代の放送開始当時なら、会社員で30代で既婚、子持ちで家もローンだけど買ってるというのは、割と一般的だったはずです。ところが、今の時代で30代で既婚で、子供がいるだけでなく、家を持ってて車まであるというのは、平均的な家庭とは言えないんじゃないでしょうか?ずっと歳をとらないことで、現実にありふれた家庭での日常を描いていたクレヨンしんちゃんが、現代ではなさそうな家庭になっているなと感じます。ご長寿番組ならではの歪が見えてきます。

現代の30歳って一概には言えませんが、子供を教え導くほどできた大人ではないんじゃないかというのが、筆者の実感です。つまり野原ひろしは凄いんですよ。大人になれない筆者はしんのすけの心のままでひろしの背中を追いかけています。

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